第1回:定年後は『自分の時代』


今回より、日本元気シニア総研最高顧問 富田眞司氏による『6つのキーワードで解く「これからのシニア向けビジネスチャンス』を6回シリーズでお送りします。


―人生には3つの時代「学ぶ時代、働く時代、自分の時代」―

昔、「老後・余生」、これからは『自分の時代』

寿命がまだ短かった時代、定年後を「老後・余生」と呼ばれていた。今でも、そう思っている人も多い。しかし、65歳の平均余命は男性が20年、女性が24年もあり、今や、定年後は余生でも、老後でもない。まさに、未体験の時代に入っている。

これまでの「余生・老後」時代では、残りの時間を「のんびり過ごす」高齢者が多かった。これに比べ、今の元気な高齢者は残された時間を「楽しく有効に過ごしたい」と考えている。

そこで、筆者は人生を3分割し「学ぶ時代、働く時代、自分の時代」と命名した。

「学ぶ時代」は「生まれてから20歳位までの20年」、「働く時代」は「就職してから定年までの40年」、そして、「定年後の20年」こそが、まさに『自分の時代』といえる。

元気なシニアは活動意欲も消費意欲も高い

「余生・老後」時代の消費は、食品などの日用品、下着や普段着などの衣料品などの「生活必需関連商品」や、杖、補聴器、健康食品やサプリメントなどの「介護関連用品」など、「生活関連消費」が中心になる。一方、『自分の時代』の消費は、シニアが「自分がしたいこと」、「したかったこと」を実現するための商品やサービスなど多くの消費が期待できる。

とはいうものの、お金がなければ、実現できない。働いて収入を得、それを原資に楽しむ「生きがい就労」という生き方もある。楽しむために働くことは、生活のために働くこととは違い、つらいものではないからだ。

『自分の時代』にふさわしい、新しい消費を促進する「コト」消費を期待

『自分の時代』で期待できるのは、「学ぶ」「楽しむ」「遊ぶ」や新しいことに「挑戦する」など、多くの「コト消費」だ。『学ぶ消費』には「大学、カルチャースクール、通信教育などで専門知識を得る」ことや、「楽器、詩歌、趣味などを始める」ことなどが含まれる。

『楽しむ消費』には「歌舞伎を見る」「旅行に行く」「買い物を楽しむ」ことなどが含まれる。『遊ぶ消費』には「カラオケ、ゴルフ、旅行」などを楽しむことが含まれる。

さらに、新しいことに『挑戦する消費』には、レベルの高いことに改めて挑戦する、例えば、「資格を取る、専門書を執筆する、専門家デビューする」などが含まれ、余生・老後発想にはない新しい消費が期待できる。

なお、ここで提案した「コト」消費提案を実現するには、元気なシニアが自ら活動意欲が向上すること、それを推進する企業のシニア向け販売促進策があってこそ実現できる。

次回より、その具体的テーマについて、このコラムで語って行きたいと思う。

一般社団法人 日本元気シニア総研
最高顧問 富田眞司氏

2013年(一社)日本元気シニア総研を立ち上げ代表に。2017年最高顧問兼チーフアナリストに就任。企画力を生かし、独自の分析で超高齢化社会でのシニアの活性化とシニアビジネスの需要創造提案を行う。
日経MJ「再考シニア消費」18回連載、夕刊フジ「定年予備校」20回連載など執筆多数。ビッグイベント、全国商工会議所、大手企業などでシニアビジネスに関する講演多数。
代表著書「A4・1枚究極の企画書」「提案書・企画書の基本がしっかり身につく本」「スターティングノート」など20冊。

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