第2回:定年後の4つのリッチ『金時健心』


日本元気シニア総研最高顧問 富田眞司氏による『6つのキーワードで解く「これからのシニア向けビジネスチャンス』を6回シリーズの連載第2回をお送りします。


―シニアビジネスは4つのリッチを活用するー

定年後の人生には4つのリッチがある。その頭文字をとり「金時健心」と筆者は命名。
4つの要素を組み合わせ活用することで、高齢者向けのビジネスチャンスが生まれる。

「金」は資産や収入、個人差が大きいーシニアの平均貯蓄額は 2,385万円

「金」は定年時の「保有資産」と定年後の「年金・働いて得る収入など」からなる。

60歳以上2人世帯の平均貯蓄(総務省平成28年)は2,385万円あるが、1,000万円以下が38%あり、格差が大きい。お金が必要な高齢者には労働などの収入確保市場が期待できる。
定年後も働きたい高齢者が8割いるが、実際に働いているのは2割強というデータもあるように厳しい現実もある。

今、人手不足業種が増えており、高齢者向け人材活用ビジネスが期待できる。支出面では、食事や日用雑貨などの「生活必需品消費」や、旅行、趣味、学び、ファッションなどの「ゆとり消費」など、収入にあったビジネスが期待できる。

「時」は自由になる時間、誰でも平等にあるー働いた時間と定年後の自由時間と同じ

時間は高齢者だれでも、共通にある。寿命が延び、定年後自由になる時間も増加している。
現役時代に働いた時間と定年後自由になる時間と同じだけあるという試算もあるほど、定年後に自由になる時間がある。

じっくり時間をかけて「スポーツを極める」「新たな資格を取得する」「専門分野をマスターする」「社会貢献活動を実施する」「好きなことで起業する」など、他の3つのリッチと組み合わせ有効に活用することで、高齢者向けのビジネスが拡大する。

「健」は大切な健康、高齢になるほど大切になる

高齢者にとって健康であることは最も重要なことだ。加齢で体力が衰えるなど、健康に影響が出る。健康維持や健康管理するため「食事」「睡眠」「運動」などに関するビジネスが欠かせない。

特に、75歳以上の後期高齢者になると健康でない人の割合も増加する。認知症や要介護生活になれば、介護に伴う出費も増える。そのため、「フレイル」と呼ばれる未病対策や健康予防対策ビジネスが重要になる。
長寿社会になればなるほど、健康を維持するためのビジネスが重要になる。

「心」は生きがい、重要な要素である

定年後が短かった昔、定年後は「余生・老後」と呼ばれた。今や定年後は20年以上もあり、「自分の時代」として有効に活用して欲しい。それを支える「生きがい」が重要になる。

何も準備をしないまま、定年を迎え、どうすればよいか迷う高齢者が多く、せっかくの自分の人生がつまらないものになってしまう。そうならないためには定年後の自分の人生をどう楽しむか「自分だけの『生きがい』」を明確にすることで、長くなった定年後の「自分の時代」をエンジョイすることができる。

次回は「好老社会」を取り上げる。

一般社団法人 日本元気シニア総研
最高顧問 富田眞司氏

2013年(一社)日本元気シニア総研を立ち上げ代表に。2017年最高顧問兼チーフアナリストに就任。企画力を生かし、独自の分析で超高齢化社会でのシニアの活性化とシニアビジネスの需要創造提案を行う。
日経MJ「再考シニア消費」18回連載、夕刊フジ「定年予備校」20回連載など執筆多数。ビッグイベント、全国商工会議所、大手企業などでシニアビジネスに関する講演多数。
代表著書「A4・1枚究極の企画書」「提案書・企画書の基本がしっかり身につく本」「スターティングノート」など20冊。

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